はやぶさ/HAYABUSA


そう言えば、映画になるんだったなー。なんか商業主義っぽくて嫌かもなあ、なんて思いつつも釣られるような気持ちで鑑賞。

いやいや、すっごい面白かったし。映画化にありがちな、ソコジャナインダヨ感が極力抑えられていて素晴らしかったです。
自分たちのような宇宙機ファンだと、川渕や、的場等のモデルがいる人は本人を知ってるわけですし、直接知らなくても各登場人物が持つISASっぽさ、研究肌みたいな感覚が分かるのですが、それがスポイルされないで演じられていたのは嬉しかったですね。勿論、映画的な演出はあるんですけど。

また、ISASを知ると言う意味で、日本の宇宙探査の過去と現状を描いてくれたことも良かったです。お涙チョーダイ映画にするなら、ここまでの理解は要らないだろうに、製作者側の宇宙探査に対する敬意を感じられました。特に、火星探査機「のぞみ」の火星軌道投入失敗の事例を踏まえている所も素晴らしかった。

全体的にはドラマチックなドキュメンタリーと言った風情で、とにかく泣きたいんですみたいな日本映画好きとか、突入の華々しさが気になってるハリウッド映画好きなんかには薦められないですね。とにかくある程度のハヤブサに関する興味があって、2010年6月に感動していたなら、見て損したとは思わないんじゃないでしょうか。だから、どっちかと言うと映画好きでない人のほうがいいかな。

あと、WEB上にあったいくつかのエピソードもちゃんと抑えられていて、誰に見せたい映画なのか?が伝わるのはいいですね。生瀬は正直居なくてもよいキャラクターでしたけど、でも監督から見たら登場させたかったんだろうな。応援してる人も一つの登場人物なんだと思います。

そうそう、監督はトリックの人なんですよね。確かにそんな空気が出てました。悪い意味じゃないですけど、視聴時の肌触りのような物に現れるんですね。この人はハヤブサと、それを取り巻く世間の空気感をわかったんだなあと感嘆しきりです。

映画『はやぶさ/HAYABUSA』公式サイト 10.1 ROADSHOW

【お勧め】★★★★☆(他の映画見ようかどうか…w)