飛べ!「やはぶさ」小惑星探査機60億キロ奇跡の大冒険:松浦晋也

飛べ!「はやぶさ」 小惑星探査機60億キロ奇跡の大冒険 (科学ノンフィクション)
買ったけど、途中まで読んで止まっていた本。理由は最初の説明の部分が冗長で、飽きてしまったからなんですね。これは僕が本の対象読者じゃない上に、はやぶさに関する知識を一通り身につけていた為なんで、本の良し悪しとは関係ないのですが。
本自体はいつもの松浦晋也らしく、丁寧に技術的背景を説明しながら時系列と登場人物を描写する形。今回の特色は対象読者が小中学生に設定されている事だと思います。漢字にはすべてルビが振ってありますし、例えは全て小中学生でも理解できる内容になっています。技術用語は若干減らしていると思いますが、無闇に用語の置き換えなどはしておらず、この本を元に別情報に当たったときでも困惑しないような配慮がされていて、安心して子供達に読ませる、一緒に読むことが出来る本です。
構成としては前半がはやぶさ探査機が出来るまで、後半が打ち上げから帰還までとなっています。その他の本と異なり、探査機の解説に半分近くを裂いている部分が特徴かも知れません。これは著者なりの、基礎知識を手に入れた上で読んでほしいと言う意図だと思います。
ただ、もしかしたら2部をベースに1部の説明を挟み込むような方が、興味を持続できて良かったのでは?とも思いますね。実際、自分も1部の最後辺りで一旦本を閉じてしまったので。
とは言え、2部の面白さは素晴らしいと思います。1部でしっかりと説明しているお陰で、説明を簡易に出来るので、ストーリーにリズムがありますし、描写が凄くよく理解できます。これはどっちの方法もありだな、と思わせますね。きっと宇宙に興味を持ち始めた小中学生なら、一気に読みきってくれるという、著者の考えがあるのかも知れません。
【お勧め】★★★☆☆(興味ある小中学生なら★プラス1つ!)