くねくね文字の行方:椎名誠

くねくね文字の行方 (角川文庫)「むはのむは固め」から改題。僕の中に「椎名誠時間」とゆーモノがあります。この作者が書くものは大きく分けると自伝的小説とエッセイ、そしてSF超常小説がありまして、自伝的小説は主に昔の想い出を、エッセイは現在のドタバタ世界横断移動記、みたいな事になっています。自伝的小説は本の雑誌血風録までを読むことによって、椎名誠の生い立ちからほぼ現代までを網羅できます。そして、このエッセイシリーズ(赤マントとか色々なシリーズに別れていますが)を追いかけるように読むことで、現在を作者視点で追体験できるわけです。で、くねくね文字の行方はモンゴル作成した映画が完成したあたりから新作「しずかなあやしい午後に」の興行が始まったあたりの話題です。(ここまで概要説明)
このエッセイシリーズは誰にでもお薦めできるかとゆーと、それは微妙な気がします。決して面白いと言い切れるものではないと。内容はほぼ椎名誠の雑感と日記ですし、ある種の淡々とした日常(常人と比べればそれはそれはごちゃごちゃですが)を読んでいても、物語的な面白さは求めることはできないと思います。しかし僕にとっては定期的に「椎名誠的視点」に触れることができる重要な本なのです。僕はここに椎名誠の感性を求めて読んでいる訳です。つまりこの文章は感想と言うよりは僕の言い訳ですね。はい、すみません。でもモンゴルの風の雰囲気や、南海の海の青さ、美しさそして作者を取り囲むクセのある連中を、見るように読んでいるだけでも面白いんだよ!(感想)
【お薦め】★★★☆☆(安定多数的で良い良い)