2005-01-01から1年間の記事一覧

からいはうまい:椎名誠

こっちは全くもって直情的なエッセイ。韓国で辛いものをヒハヒハ食って美味かった、とゆー。こう書くと身も蓋もないけど、かなり面白かったです。韓国は割と好きでは有るのだけど、唐辛子がどこから伝わったのか?(日本からとゆー説が有力みたい。へー、へ…

ノルウェイの森(上)(下):村上春樹

久しぶりの村上春樹。僕みたいな直情的で現世的で精神も心も物理的な形でしか考えられないような低次の人間には、感覚がかなりの部分を占める村上春樹は難しいように思います。なんつーか「なんとなく面白い」以上の発見が出来ないで困ってしまう。何が言い…

秩父事件−圧制ヲ変ジテ自由ノ世界ヲ−:秩父事件研究顕彰協議会

秩父事件と言えば現場が僕の地元に近いことも有って、何かの本(確か郷土歴史資料だった)で興味深く読んだ覚えがあるのですけど、こうやって事件の登場人物の描写まで含めて細かく知ったのはこれが初めてでした。自由民権運動とか歴史の教科書でしか知らな…

全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ:サンボマスター

売れてくると変わると言うか、「あいつらは変わっちまったんだぜ」と言いたくなると言うか、まぁその辺の因果関係は知らないですけど、「電車男」以来の小中学生のファンなんかが増えてくると、なんか面白くない人たちは沢山居るのかも知れません。だけどそ…

黒盤:斎藤和義

白盤と合わせてご購入。こっちは聴きたかったけどアルバムが無くて聴けなかった「砂漠に赤い花」が!久しぶりに聴いたら懐かしさも手伝って身体が震えました。これ、僕が高校生の時、友人から借りたFireDogに入ってて、なんか直情的なロックとは違う、情緒と…

白盤:斎藤和義

mixiの斎藤和義コミュを眺めていたら、急にあの力強く切ない斎藤和義の歌声とギターの音が聞きたくなってご購入。全く事前の情報無くHMVに行ったので、とりあえず目に付いたこの白盤と黒盤を買ったのですが、2枚セットのベストアルバムみたいな位置付けなの…

ハル:瀬名秀明

久しぶりの瀬名秀明。ロボットを取り巻く近未来的な視点からの中篇小説を纏めた物です。未来のロボットの御伽噺を挟みながら、同じ未来が複数の視点で語られています。それぞれテーマは違いますが、ロボット研究の永遠のテーマとしての「人間の魂」について…

きょうの猫村さん:ほしよりこ

家政婦さんの猫村さんはネコだけど、何でも出来ちゃうすごい家政婦。夢は海外へ行ってしまったぼっちゃんを探しに行く事。そんな優しくて人情家でテキパキしてるけど、疲れたら丸くなって寝てしまう(ネコだから)可愛い猫村さんの家政婦生活の漫画。 この人間…

喪失の国、日本:M・K・シャルマ(山田和:訳)

インドの若きエリート会社員が市場調査として日本に滞在した滞在記です。様々な印日間の慣習の違いについて深い洞察力で指摘していて、単なる面白おかしい滞在記に留まっていない所が素晴らしいです。日本に暮らす日本人と言うのは基本的に他の民族や異文化…

風まかせ写真館:椎名誠

椎名誠のライフワークになりつつある写真について、まとめた本です。彼の写真と言うのは彼のエッセイから毒と悲しみを抜いたような感じになっていて、つまりは温かみだとか今、生きている郷愁のような物を強く感じさせます。椎名誠も本の中で自分の作品を「…

Rio de Emocion:Dragon Ash

やっと購入できましたDragon Ashのニューアルバム。夕凪UNIONで新しい方向性の一端を見せてくれて、今回も期待を裏切ることのない良いアルバムだと思います。昔のようなギラギラした空気は薄くなり、勢いを持ちながらも円熟した世界観を打ち出せているように…

流星ワゴン:重松清

「流星ワゴン」はありきたりな不幸に見舞われ、家庭崩壊を引き起こし、絶望と後悔のどん底にいる男が主人公です。彼が夜、家に帰ることも出来ずに駅のロータリーで佇んでいると、一台のワゴンが彼を迎えに来ます。もう死んだハズの親子が運転するワゴン。彼…

困ります、ファインマンさん:R.P.ファインマン(訳:大貫昌子)

チャレンジャー号の事故を覚えていますか?打ち上げ直後のスペースシャトルが、その上昇途中で爆発四散したという悲惨な事故です。その原因は結局は何処にでもある「上司の思惑と部下の思惑の違いから、重要な事項が充分に伝達されなかった」と言う物でした…

世界はそれを愛と呼ぶんだぜ:サンボマスター

電車男のアレですね。サンボマスターはあれよあれよと言う間にドラマに使われるまでになったのだなぁ。以前、トップランナーに出てきて話をした時に「誰だって世界を変える事はできるのだ」と言うような事を話していて、僕も似たような事を考えていた時期だ…

ファインマンさん最後の冒険:ラルフ・レイトン(訳:大貫昌子)

ファインマンさんの名前が出てくるし、本人も文中に沢山出てきますけど、これは本人の話ではなくて、ラルフ・レイトンさんの本です。この本のジャンルはエッセイ?ドキュメンタリー?その中間みたいな感じでしょうか。タンヌ・トゥーバと言うソビエト奥地の…

ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)(下):R.P.ファインマン(訳:大貫昌子)

ずーっと読みたかった一冊(上下巻)。世間一般で物理だ工学だとかの「理系」の連中は、イマイチ暗いとか話ベタとか思われがちですが、だからと言って感動や喜びに疎い訳ではないのです。文系は興味の対象が芸術だったり文学だったり、人間に関わる事象が殆ど…

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下):村上春樹

海辺のカフカと同じように2つの話が重なるように進んで行く手法が好きなんでしょうか?一緒に記述される事の利点が良くわかりませんが。僕は面白いのですけど、イマイチ主題を読み取る事が出来ませんでした。主人公の彼が自らの世界を獲得するまでの込み入っ…

ゲイルズバーグの春を愛す:ジャック・フィニィ

SFとお伽話は紙一重みたいな所があるので、こういうロマンチックなSFというのは字面から感じる違和感ほどは受け入れにくいものではなくて、どちらかというと優しいワクワク感を感じられる分、得難いものだと思います。この短編集から出てくる望郷、もしくは…

サマー/タイム/トラベラー(2):新城カズマ

うーん。つまらなくは無かったけど、びっくりする程面白かったかというとちょっと違う気がします。これは僕の好みの問題でも有るのですけど、話のプロットがキッチリと繋がっているのが好きなんですね。伏線とかが綺麗に解決されたりとか。だけどこの本では…

fly:Dexie Chicks

僕が訳も無く惹かれてしまう音楽にカントリーがあるのです。そんな訳でDexie Chicksのflyもご購入。homeは結構良くて、沖に李になってました。こっちもそんなに派手な所があるわけじゃ無いけど、落ち着くというか質の良いウキウキ感を感じて結構好きです。良…

夕凪UNION:Dragon Ash

DAの楽曲的嗜好について語ったりすることはあんまり出来ないけど、アップテンポの突き進むようなメロディの曲と、対照的に静かで染みるような曲に分ける事が出来ると思うのです(単に発表曲を2つに分けるのではなくて、作曲する時にそんな方針があるような気…

IN THE PURSUIT OF LEISURE:Suger Ray

今まで細かい事を考えないで聴いてたんですけど、Suger Rayって向こうでは割と馬鹿っぽいポップグループなんですかね?ジャケットに入ってたライナーノーツみたいな物を読むと、どうもそんな感じなんですけど。でも単純明快なメロディと乾いたエレキの音はや…

サマー/タイム/トラベラー(1):新城カズマ

新城カズマと言えば新城十馬で「蓬莱学園の初恋!」な訳です。個人的な話をさせて頂ければ(っていつも個人的な話なんですけど)、アレは面白かった。適度なケレン味と青春の衝動と学園のセンス・オブ・ワンダーが有った。で、今回のはそれに比べると些か判り…

ばらいろポップ:SINGER SONGER

「cocco meets くるり」なアルバムと言う事で割りと期待していたのだけど、最初は「なんだ?こんな感じなのか?」ってゆー感想でした。イメージと違うと言うのじゃなくて、これらのヒトに期待できるような引きの強さがなかった(キャッチーさが無い?とはちょ…

ドラマチック:YUKI

アニメ「ハチミツとクローバー」で使われている曲。最近のYUKIさんのキャラクターは割と唯一無二みたいな所があると思っていて、強さ/優しさ/美しさがすごく高いレベルで調和していると言うか、可愛いし綺麗だしカッコイイなんて、ちょっとありえない魅力に…

M-3000Uのファームウェアv1.9リリース

ちょっと遅くなりましたけど、ファームv1.9がリリースされています。リリース日は7月6日です。発売から一年近く経ってもファームをちゃんとアップデートし続ける姿勢は素晴らしいと思います。勿論、兄弟機種との絡みがあるからと言う理由もあるのでしょうけ…

ワルツ:スネオヘアー

最近気に言っている「ハチミツとクローバー」に絡んでご購入。清潔感があってしかも疾走するようなリズムが気持ちよいです。あと歌詞が素敵です。優しくて少し寂しいような感じ。踊るように僕らは生きていくのです、みたいなね。人が独りで生きていくのでは…

風の道 雲の旅:椎名誠

椎名誠のいつも通りの日々。だけど彼にとってのいつも通りは、僕にとっての非日常であって、どうしたって憧れてしまう素敵な風景と優しい人々との交流が本の体裁をとっているのです。旅の写真をメインに、幾つかのエッセイで構成されている本書は、元は文庫…

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ:滝本竜彦

「幸せな時は不思議な力に守られているとも気付かずに」なんて言葉もありますが、実際に後から考えてみれば、幸せはホンの一瞬にしか感じられず、結局最後には何も残らないし、誰も僕の幸せなんか守ってくれないのだ、なんて感じてしまう時もあると思うので…

NHKにようこそ!:滝本竜彦

引きこもり男とそうでない女の子、だけど二人とも救いが無い所は一致している、そんな話です。文体は軽妙でプロットも良く出来てて、読み手の気持ち良い所をツツいてくれる、そんな訳でとても面白い話ではありました。同時に、幾つか考えさせられてしまう事…