神の子どもたちはみな踊る:村上春樹

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)初めて僕が手にした村上春樹の短編集。阪神淡路大震災を中心とした連作になっているんですけど、あんまり地震自体が主役という事は無くて、日本に生きる登場人物達の身近な所であの地震が起きた結果、色々な影響が現れてくる(それも間接的に)と言った感じです。僕は最初読んでた時は震災に関する連載だとは気がつきませんでした。
地震は世界中の至る所で発生してますが、しかし自分が知っている風景が、そして同じ表情の人間がその惨禍に巻き込まれていると言う事実は、ひどく強く僕たちの精神に影響を与えるでしょうし、自分たちの気が付かないレベルで自分を変えているかも知れない。そういった無意識の影響が自分を形作っている、と考えると自分がとてもあやふやな存在のように感じられます。
【お勧め】★★★☆☆(3.5点。読みやすいっす)