小惑星探査機「はやぶさ」の超技術 -プロジェクト立ち上げから帰還までの全記録

小惑星探査機「はやぶさ」の超技術―プロジェクト立ち上げから帰還までの全記録 (ブルーバックス)
もう早いもので「はやぶさ」が還ってきてから1年が経つんですね。映画も公開されたし、少しでも日本人が今回の感動の向こう側にある、科学の大切さや面白さ、見地を広げることへの理解が進めばいいのですが。
この本は2部構成になっていて、前半が川口マネのプロジェクト全体の流れと説明、後半がNTスペースの技術者を中心とした各技術要素の説明、となっています。
この本は、ある程度は宇宙機に知識があるひとが読むのが正しいと言えそうです。前半はある程度時間軸に沿って描かれて、川口マネの読みやすい文章もあって一般にもオススメできます。ただし、後半の技術陣の文章はNewtonと同じ程度には詳細に書いているため、ちょっととっつきにくい所があります。

比例計数管だと近いエネルギー帯に輝線があるアルミニウムとマグネシウムとケイ素の蛍光X線が混ざってしまい分かりにくかったのが、X線CCDだとそれぞれの輝線が相互に分離して見えるようになります。
(本書276P)

分かる人にはコレはコレで大興奮なんで、宇宙機が好きでもっと色々な技術トレンドを知りたい!って思う人にはオススメできるかと思います。僕は宇宙関連には強い興味があり、何冊か勉強しているので大変楽しく読めました。
【お勧め】★★☆☆☆(宇宙好きなら+2個だな)