重大事件に学ぶ「危機管理」:佐々淳行

重大事件に学ぶ「危機管理」僕がこれまで読んで来た佐々淳行氏の著作はそれぞれ氏の歴史の一時期を切り取って、氏なりの切口で語られて来た物が多かったのです。この本はこれまでとは少し目線を変えて、それらの歴史で一貫して指針や信条となって来た「危機管理の為のノウハウ」をメインに据えて書かれています。氏が前書きで、

危機の予知法から緊急対応、問題処理まで、「危機管理」には基本の法則がいくつかある。もちろん、それはわたしが手掛けた国家・行政単位だけのものでなく、企業、そして個人個人が仕事を進めていく上で役に立つものばかりである。

と書くように、本書の内容は非常に身近な場面へ適用できるように書かれています。一見、当り前のように思えても、組織の中に埋没し、現実や理性のバランスを失うに付いて忘れてしまう「大事な心構え」をもう一度教えてくれる良書だと思います。
【お薦め】★★★★☆(4.5点。新入社員に読ませて上げたい)