サマー/タイム/トラベラー(2):新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)うーん。つまらなくは無かったけど、びっくりする程面白かったかというとちょっと違う気がします。これは僕の好みの問題でも有るのですけど、話のプロットがキッチリと繋がっているのが好きなんですね。伏線とかが綺麗に解決されたりとか。だけどこの本では大仰に構える割(コージンの店の話とか、お兄さんとか)にはそれらをイマイチ昇華できないまま小さな役割だけしか果たさないで、話が進んでしまうように思うのです。竜頭蛇尾(こんな言葉だったかな?)と言うか、それぞれのフックが面白そう(倶楽部とかさ)なだけに落ち着きの無い話になってしまっているのが残念です。あとオチも嫌に落ち着きが無いというか驚きじゃなくてただハズされただけに思えてしまう。もうちょっと伏線を丁寧に埋め込んだり出来なかったのかな?
ただ、それらはともかく、青春の感情は充分に伝わってきました。世界系とは言わないけど、自分を取り巻く環境を知ってしまって、それに絶望しているけど、絶望しきれない事までしってしまっているヤルセナサ。それが良く表現されてるように感じました。
あと時間移動系SFの話が山ほど出てくるのは面白かったです。夏への扉タイムリープタンポポ娘に…うははは。
【お勧め】★☆☆☆☆(SFのハードマニアならあるいは…)