ファインマンさん最後の冒険:ラルフ・レイトン(訳:大貫昌子)

ファインマンさん最後の冒険 (岩波現代文庫)ファインマンさんの名前が出てくるし、本人も文中に沢山出てきますけど、これは本人の話ではなくて、ラルフ・レイトンさんの本です。この本のジャンルはエッセイ?ドキュメンタリー?その中間みたいな感じでしょうか。タンヌ・トゥーバと言うソビエト奥地の幻の土地を、あの手この手で目指すラルフさんとファインマンさん達の日常を描いています。このラルフさんもファインマンさんとはまたちょっと違った意味で行動力に溢れていて、この本はファインマンさんの看板を借りたつまらない本にはなっていません。
この本で描かれる毎日の中で「過程こそが大事、結果じゃない」と言うような言葉が出てきます。僕は結果を求めなければ幸せになれない事もあるとは思いますけど、トゥーバを目指すというような、およそ実生活の本筋とは関係無い彩りについては、そうなのかもしれないな、と思いました。
しかし物理学のノーベル賞を取って、原爆の開発して、チャレンジャー事故の原因究明して、絵を描いてボンゴを叩いて、このファインマンさんのバイタリティはどこから来るのでしょうね?見習いたいな、と思います。
【お勧め】★★★☆☆(ちょっと辛め)