焼け跡の青春・佐々淳行 −ぼくの昭和二十年史−:佐々淳行

ぼくの昭和20年代史 焼け跡の青春・佐々淳行 (文春文庫)いつもの佐々淳行の最新刊です。学生時代後半から警察官になるまでの間を埋めた形です。これがあると現在を除いたほぼ全ての佐々淳行の人生の各時代が本になった事になるのかな?
終戦直後から日米安保までの時代を僕は自分の興味が戦争や安保闘争に行ってしまうせいで、良く知らなかったのです。でも、佐々淳行の生き生きとした描写でこの時代が描かれると、まるで自分がその場に居るような臨場感で「時代の空気感」を感じられて、もうちょっと色々知りたくなりました。例えば戦後の猟奇的な事件であるとか、渋谷のヤクザと外国人の闘争であるとかね。
しかし佐々淳行のまっすぐな態度と生きる事に対するパワーは凄いですね。昔の人はみんなこんなに(良くも悪くも)力強く生きていたんでしょうか?無気力な世代とか良く揶揄されて育ってきた僕のような人間は、本気を出して生きる所にまったく衒いが無い時代に、少し憧れます。これはこれで凄く大変なのでしょうけど。
【お勧め】★★★☆☆(3.5点。素直に面白くて、為になります)