約束された場所で underground2:村上春樹

約束された場所で (underground2)地下鉄サリン被害者のインタビュー集「アンダーグラウンド」の続編です。今回は元オウム信者の方に教団に携わった人間として、インタビューしています。今回は地下鉄サリン事件に関する記述はあまり無く(元々、事件に関わった人間が教団のごく一部に限られたせいでしょうけど)、事件に至るまでの教団の変遷を個人的な経験を元に語って貰っています。読むと信者になってしまう人達には一定のスタンスと言うのが見えてきます。思想に重きを置いて、正直で真面目で現状に不足感を感じている、と言うような。一昔前であれば共産主義に傾倒したり、政治運動に走ったりしてそうな感じでしょうか(正直、良くわかりませんが)。僕は宗教に救いを求める気持ちが全く解らないのですが、それでも強いモノに帰依出来るのは気持ちがよいのでしょうね。前作より作者とインタビュイーの対決の空気が出ている分、本としては面白いと思いますが、後読感は良くないと言うか、ぐったりしますね。
【お勧め】★★★☆☆(んー。なんか辛い)