日曜日の夕刊:重松清

日曜日の夕刊 (新潮文庫)
日常になじむ、家族の話を集めた本です。重松清の本はこう言った普通の人々の心情をドロドロしすぎない程度に描き出すのがとても上手いと思います。誰もが少年時代や、大人になってから感じる普遍的な感情を、ほんの少しだけ鮮やかに色付けして、再体験させてくれるのです。
ただ、当たり前の話ではありますが、読み手がそう言ったウェットな状況を味わいたいと思っていたり、それに対する準備が無いとなんとも気持ちの悪い後読感があるように思います。と言うか本は面白いのに読んでるうちに気恥ずかしいようなモヤモヤとした感情を受けました。きっと書いてある事がリアルに感じられすぎて家族の触れたくない部分を見てしまった様な気持ちになったのだと思います。
うーん。重松清、すごいね。
【お勧め】★★★☆☆(面白いけどなんかキツい)